CBRS とは

CBRS とは

CBRS (市民ブロードバンド無線サービス) は、3.5GHz 帯 (「バンド 48」) の中の 150MHz (3.55 〜 3.7GHz) の周波数帯です。市場では CBRS はさまざまな意味を持ちますが、技術的には米国のみの 150MHz (3.55 〜 3.7GHz) の周波数帯であり、プライベート・モバイル・ネットワークに使用できます。

CBRS は何に使用されるか

CBRS 周波数帯の主な用途には以下のものがあります。

  • マクロ拡張: 特に都市環境で無線キャパシティを通信業者のマクロ・ネットワークに拡張します。
  • 固定無線アクセス (FWA): バックホール用。
  • 民間が所有、運営するモバイル・ネットワーク: 企業や地方自治体向け。このページでは、このユースケースのうち、企業のプライベート・モバイル・ネットワークに焦点を当てます。

CBRS の 3 つの階層とは

この周波数帯のユーザーの 3 つの階層は、以下のとおりです。

  • アメリカ海軍や固定衛星などの既存のユーザー
  • 通信事業者が有料で周波数の一部をライセンスする、PAL (優先アクセス・ライセンス)
  • ライセンスを持たない企業がこの周波数帯をプライベート・ネットワークに利用するなどの一般認可アクセス (GAA)

これらの層は同時に CBRS 周波数を共有しているため、FCC は、GAA ユーザーが PAL または既存のユーザーに干渉してはならず、PAL ユーザーが既存のユーザーに干渉してはならないと定めています。この干渉を管理するために、スペクトル・アクセス・システム (SAS) が必要となります。

CBRS の 3 つの階層の図

CBRS に対応するデバイス

Apple iPhones や Google Pixels など、ほぼすべての最新スマートフォンが CBRS 周波数帯に対応しています。また、ヒューレット・パッカード、デル、レノボなどのノートパソコンや、アップル、サムスン、ゼブラなどのタブレットも CBRS に対応しています。CBRS 対応デバイスのエコシステムは、今後も拡大するでしょう。

CBRS が重要である理由

企業がプライベート・モバイル・ネットワークに CBRS ネットワークを導入する主な理由には、以下のものがあります。

  • 屋外の広範囲でカバレッジが向上する。CBRS ベースのセルラー無線は、Wi-Fi AP よりもアクセス・ポイント (AP) あたりのカバレッジは大きくなりますが、AP あたりのスループットは低くなります。
  • ネットワークのセグメント化が向上する。特に、製造業や産業用のネットワーク、従業員用の独立した音声通信ネットワーク、小売店の POS デバイスなどの重要なトラフィックのために、比較的クリーンな周波数帯で動作する独立したオーバーレイ・ネットワークをデプロイできます。

CBRS ベースのプライベート LTE モバイル・ネットワークのデプロイに必要なもの

従来、プライベート LTE ネットワークの構築は、エンタープライズグレードの Wi-Fi ネットワークの構築に比べてはるかに複雑でした。LTE ネットワークでは、デバイスの接続、LTE スモール・セル間のローミング、データ・プレーン・トラフィック転送など、ネットワークを管理する EPC (進化したパケット・コア) が必要です。また、LTE ネットワークを使用する企業は、端末ごとに SIM (サブスクライバー ID 管理) カードや eSIM を用意し、管理する必要があります。さらに、CBRS 周波数帯を LTE 無線で使用する場合、企業は FCC が認証した SAS (スペクトル・アクセス・サービス) システムを導入し、近隣の無線機からの干渉を管理する必要があります。

このようなハードウェアとソフトウェアのコンポーネントをすべて統合し、企業の IT ネットワークにすぐに統合できる CBRS 用の新しいサブスクリプションベースのサービスが市場に登場しています。この完全に統合されたソリューションにより、市場で競合する他のソリューションと比較して、デプロイが大幅にシンプルになります。

CBRS の業種別ユースケース

さまざまな業種が、既存の無線投資を補完するために CBRS を利用しています。以下に例を示します。

  • 倉庫・物流センター: 自律走行車やロボットのためのより広い範囲での無線接続
  • 医療: スタッフに割り当てられたスマートフォンのコラボレーション・アプリ用のプライベート・モバイル・ネットワーク接続
  • 大規模な公共施設: バックステージ・スタッフの業務のためのネットワーク・セグメンテーション、ゲスト・サービス用の Wi-Fi 予約
  • 小売: 混雑した店舗環境でスタッフが操作するデバイスや企業が所有するデバイスのためのクリーンな専用周波数帯
  • 初中等教育: デジタル・デザートへの接続と学生の自宅への屋外無線バックホール

CBRS プライベート・モバイル・ネットワークでは LTE または 5G のどちらを使用するか

現在、CBRS プライベート・モバイルネット・ワークは頻繁に LTE を使用します。しかし、将来的には 5G にも対応することになるでしょう。5G に対応すれば、欧州でも CBRS ベースの導入が進むと予想されます。

CBRS ベースのプライベート・ネットワークと Wi-Fi の比較

CBRS 帯は、4G (LTE) や最終的には 5G を含むさまざまなセルラー規格に対応することを目的としていますが、Wi-Fi には対応していません。現在、すべての CBRS システムは LTE ベースです。

企業は、Wi-Fi システムに取って代わるのではなく、補強する方法として CBRS に関心を寄せています。CBRS と Wi-Fi の主な違いは以下のとおりです。

  • カバレッジ: 屋内の CBRS LTE AP は、屋内の一般的な Wi-Fi AP の約 4 倍の範囲をカバーします。CBRS は 3.5GHz 帯で運用されているため、2.4GHz 帯や 5GHz 帯で運用されている Wi-Fi と伝搬性がほぼ同じです。
  • 設計: CBRS システムのデプロイは、EPC や SAS などのコンポーネントが必要なこともあり、従来は Wi-Fi システムのデプロイよりも複雑でした。
  • 費用: CBRS ベースの LTE は、従来のスモール・セル・ベースのアーキテクチャよりも安価なセルラー・ソリューションですが、CBRS の AP 1 台あたりの価格は、一般的な Wi-Fi の AP 1 台あたりの価格よりもはるかに高くなっています。しかし、CBRS はカバーする範囲が広く、関連する配線や設置コストが低いため、この差は多少縮まります。

さあ、始めましょう